■企業を訪ねて
  細やかな伝統技能がハイテク木工機械により現代に活かされた!
  70人の大工を擁し、社寺仏閣木構造を手掛ける関市の亀山建設(株)

 日本の木造建築の醍醐味は、何と云っても長い歴史の中でその技術がたえること無く伝承され、今日にあって も日本人の生活の中に極自然にある社寺仏閣であろう。どの村々にも鎮守の森が在り、神社が在り、地域に親し まれるお寺が在る。しかし、よく観ると、こうした社寺仏閣建築の構造材が木材では無く、コンクリートや鉄に 代わっているのに気付く。その社寺仏閣を取り巻く諸般の諸々の事情からそうならざるを得なかったのだろうが 、社寺仏閣は木造であることが当然と考えている身からすれば、残念な事象である。
 そんな時勢にあって岐阜県関市に在る亀山建設(株)(岐阜県関市稲口1037番地、亀山義比古社長、TEL 0575-22 -0637)が手掛け建設した純木造の社寺本堂は、これまでに全国100カ寺を下らない。社長の亀山義比古氏は「現代 の名工」として国が表彰した各部門全国150人の一人である。と、同時に氏は日本建築を支える優れた研究指導者 の一人でもある。
 亀山建設の創業は昭和12年11月、現亀山社長の父亀山芳郎氏により始まる。昭和55年11月に法人化された。ち なみに創業者の芳郎氏も平成元年に厚生労働省より卓越技能者として「現代の名工」に選ばれている。最初は木 造民家を造っていたそうだが、同社の優れた技能・技術は社寺仏閣建築へと徐々にシフトさせて行き、今ではそ れが専門業態になったという。
 亀山義比古社長は2代目である。地元の関高校を卒業し名古屋工業大の建築学科へ進み卒業後、六合建設(株)、 黒川建築事務所を経て、昭和46年に亀山建設(株)へ入社する。現在、関市文化財審議委員、日本建築学会司法支 援建築会議会員、岐阜地方裁判所民事調停委員の公職を歴任している。平成15年に卓越技能士として現代の名工 に選ばれ、平成17年には黄綬褒章も授賞している。そして今年1月には「伝統木造社寺建築物の実大実験に基づく 耐震性能評価に関する研究」の論文をまとめ、3月に名古屋工業大学より工学博士の学位を授与されてもいる。名 実共に伝統木構造をリードする一人である。

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