■国産スギ特集
(株)オロチを生かし日南町を活性化させる……!その役目を遂行する熱き人たち
語る人――鳥取県日野郡日南町企画課課長 内田 格氏
日南の山の現状
 日南町は鳥取県全体の面積の10分の1(3万4000ヘクタール)、その内約9割が森林です。森林面積の6割強は人工 林で、内訳はスギ70%・ヒノキ20%・マツ等1%%、典型的な針葉樹人工林になります。現在スギは大体45〜55年生 がピーク、ヒノキは35〜45年です。よって針葉樹全体の蓄積量は500万立方メートル、一番多いスギは約400万立 方メートルとなります。森林の年間生長量は少なく見積もっても12万立方メートル、その内間伐されているのは 8万立方メートルで、この段階で既に4万立方メートルは残っており早く伐採しないとモヤシ状態、非常に危険性 を感じています。また、8万立方メートル伐ったもののうち市場に出てきているのは去年の実績で4万立方メート ル、これでも公的な市場としては中国・四国地方では一番です。実は4万立方メートル出たもののうち、日南町内 で加工されているのはたったの3,000立方メートルに過ぎません。後のものは米子へ行ったり関西で加工されてま たそれが山陰に入ってきたりと、経済ベースの話では非常に効率が悪く、割を食っている地域なのです。
 このような中で戦後造林としてやってきた努力を思い実際の木の生育を目の当たりにしていると、ここの森林 を何とか地域・経済の活性化、雇用、林業の復興に活かせないか?……と、30年来懸案し続けています。一次産 品として伐ったものを搬出して市場に出す、こうして林業は生業を立てていますが、結局は良いところは取られ ているわけで、それを何とかしたいと、(株)名南製作所の長谷川克次会長、服部行男社長などと共に長い間論議 してきました(ご存知のように長谷川会長はこの日南町ご出身ですから)。
 つまり、木材の付加価値をつける仕組みという話と、どんどん生長していく森林の間伐の時期とがちょうど合 致したのが今回だったわけです。日南町の中では「何とか林業で生きていこう」「この森林資源を何とか活用し 商品化して経済を活性化させよう」ということを考えていた森林組合長、林業関連グループなど一握りの人達が おり、我々も行政として地域経済の発展・振興という面と、新エネルギー導入という観点でずっとアプローチを かけていました。正直、全てのことがうまく治まったかと言うとそういう綺麗な話ではありません。一般の森林 所有者は全然そんな意識は持っておらず、とにかく「木なん
て安いばっかりであんなもの伐ったってしょうがない」と。
そんな状況下で一握りの人々が議論を重ねつつやってきました。

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