■海外視察
第21回ミラノ国際木工機械展「XYLEXPO NEW2008」開催
出展者大幅増加の勢いに対し来場者は減少、その背景は?
 イタリア・ミラノの第21回国際木工機械展「XYLEXPO NEW2008」が平成20年5月27日(火)〜31(土)、Rho Fiera Milano(ロー・フィエラ・ミラノ)見本市会場にて盛大に且つ華やかに繰り広げられた。
 通算第21回目となる今回は新たに名称を「XYLEXPO NEW」へと変更、ロゴも「NEW」を付けたものへとリニュー アルした。その理由として主催者のAcimall(アチマル=イタリア木工機械・刃物工業会)は、40年間協力体制をと ってきたSasmil(サスミル=家具アクセサリー・半製品の展示会)がキシレキスポより離脱し今年2月に開催したMA DE EXPO(建築デザインの展示会)と併催したため、としている(アチマル専務理事パオロ・ザニボン氏にこの経緯 を直接伺う機会を得た。その模様は次号掲載)。


 今回の展示会は募集時期から出展申込みが殺到した
という。その数は計853社(イタリア国内出展569社、海外出 展284社)。伸び悩みを見せていた前回・前々回までの不振を一掃し、主催者は急遽ホール14を追加、展示面積を 過去最大の75,675平方メートルへと拡大させた。その理由としてはやはり大手4大グループの貢献が非常に大きか ったようだ。SCMグループが6,400平方メートル、Biesse(ビエッセ)グループとHomag(ホマッグ)グループはそれぞ れ2,800平方メートルを、Weinig(ヴァイニッヒ)は1,100平方メートルを占めた。


 海外からは38カ国から284社が出展、これは同展における最高記録である。最多はドイツ(90社)、次いで台湾( 27社)、中国(19社)、スペイン、オーストリア(各々15社)、およびスイス(13社)と続く。
 ロー・フィエラ・ミラノ展示会場は大きく8パビリオンから成り2階建て、平屋建て合わせて20ホールが立ち並 ぶ。同会場にて2回目の開催となる今回は4つのパビリ オンと1ホール(建物内でシャッターを降ろし分割使用でき る)を使用した。ホール1/3、2/4、5/7は家具産業向けパネル・合板用機械とその付属品・刃物・関連製品および 半製品、ホール6/10は木工用機械と その付属品・刃物および半製品、ホール14は建築用の主な木材加工機械とそ の付属品・刃物および関連機器、屋外オープンスペースでは林業用機械。また、ホール3にSCMグループ、ホール 4にビエッセグループ、ホール5にホマッググループ、ホール10にヴァイニッヒ社……このようにイタリア・ドイ ツの所謂4大メーカーが各パビリオン内での見どころよろしくバランス良く配置されていたのが印象深い。


 最大規模を誇るSCMグループは正に圧巻。ホール3の3分の2を埋め尽くし、名古屋国際展示場(ポートメッセ名古 屋)の2号館がまるっと埋まってしまう様相である
。そのラインナップは多種多様でさすがにイタリアを代表する メーカー。ハウジング用製作に重点を置いた区画やキャビネット展示コーナーなども設けられていた。
 ビエッセグループもまたイタリア大手とあって幅広い機種を取り揃え、伝統的生産工程、ネスティング工程な どとそのラインに応じて見やすいレイアウトが組まれていた。
 ドイツの最大手ホマッググループはハイレベルな自動化、無垢材加工、ハニカムデザインなどをコンセプトに 幅広く多様な機種を揃えており、未来の生産工場を思わせるようなレイアウト「HOMAG CITY」を昨年ドイツ・ハ ノーバー展に引き続き再現、来場者を魅了してくれた。
 同じくドイツ大手のヴァイニッヒ社は「コントレックス」と、ヨーロッパでは初披露となる新製品多機能モル ダー「ヴァリオマット」の2機種のデモンストレーションを中心
に展開。他3社に比べ展示面積は少ないものの、 来年のドイツ・ハノーバー展に照準をあてている様子が伺えた。
 これら4大メーカーだけでなく、アーテンドルフ社、バルベラン社、ホルツヘル社、フェルダー社などなど、他 のメーカー各社も負けじとそれぞれの持ち味を活かし存分にデモンストレーションなどで目を引き付ける。ヨー ロッパメーカーの底力を感じさせてくれた。
 また、(株)鈴工が日本代理店となっているドイツのポール社及びスウェーデンのウッドアイ社が木材欠点自動 認識装置「WOOD EYE」を搭載した「ウッドアイクロスカットシステム」を披露。四方からのカメラにより木材各 面の品質等級を各々設定し、歩留まりアップした製品を提供する。その作業の早さ、正確さは圧巻であった。


 残念ながら日本からの出展は前回展同様、名古屋展
主宰者である中部木工機械工業会(友好関係によりブース交 換を行ない、次年度の「木機展・名古屋」をPRしている)と(株)兼房のみ(但し、「兼房ヨーロッパ」として出展 したため現地法人扱い)。あとは、(株)丸仲鐵工所の代理店であるスイスのARCO BALENO社が同社のスライサーを 展示発表していた。
 「木機展・名古屋」ブースでは2007年度版ガイドブックが変わらず好評で、日本との新たな関係や情報を求め る世界各国の人々が頻繁に訪れたという(中部木工機械工業会・伊藤正祥専務理事談。尚、同氏のキシレキスポ2 008参加報告書がP30より掲載されているので是非こちらも精読願いたい)。
 兼房ブースはさすが「世界のKANEFUSA」。来客が絶えず訪れ製品の説明を求めるなどと、声をかけるのもはば かられる程であった。
 ARCO BALENO社ブースでも丸仲鐵工所製スライサ
ー「スーパーメカ」がデモ実演され、その操作性とコストパフ ォーマンスの良さは道行く人々の目を引き付け人だかりが絶えなかった。


 同展主催者の発表によると、出展者の大幅増加に伴ない来場者も期待されていたが思ったように振るわず、20 06年展の12.1%減となる81,980人であった。その内イタリア国内からは39,466人(前回展の12.5%減)、海外から は42,514人(前回展の11.4%減)。しかし今年の出展者の勢いを見るに、業界の雰囲気は決して悪くない、と捉え ているようだ。
 確かに今回、来場者数は一見大幅減少しているかのようだ。実際「今回は会場内に来場者が少ない」という声 があちらこちらでよく聞かれた。しかし、サスミル離脱という事実を考えたとき、当然そちらを目的とした来場
者が減少することは予想されるし、主催者ももちろんこのことは予測
していたに違いない。前回2006年展でのサ スミルの展示面積は全体の約1割。単純計算して良いものでもないだろうが、2006年の来場者93,266人の1割減(8 3,939人)と考えると、今回の81,980人という数字が決して悲観するばかりのものではないのではないか?会場内 もバラつきはあったものの、大手メーカーなど商談コーナーは常にほぼ満席状態。業界と出品社を満足させる成 果が見込まれたのか……とすれば、業界及び主催者の決して悲観していない様子にも得心がいく。


 アチマルは2010年展に向けて既にホール18を追加する方針で、これにより展示面積は100,000平方メートルを超 えると見込まれる。さらには2年後の次回展を「業界技術者のための展示会」にするコンセプトを練り、機械・設 備・原材料・資材など無垢素材を使用する全ての業界を纏め、あらゆる木工生産のプロセスを集約した催しにし たいとする。2年後のイタリアの更なる底力を期待したい。

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