■この人は語る
国交省住宅生産課木造住宅振興室長越海興一氏は語る
国の木造振興政策の現状はいかに……?

 平成20年1月22日(火)、東京都虎ノ門パストラルホテル6階「ペーシュ」の間で行なわれた(社)全国木工機械工業会恒例 の新年講演会にて、国土交通省住宅生産課木造住宅振興室長の越海興一氏は「木造住宅の現状と振興施策」というテーマで 淡々と語った。昨年6月20日に施行された改正建築基準法の影響に関してから始まり、国内の木造建築物を巡る具体的数値 を交えた推移、木造200年住宅実現を目指す国の方針、そして本年実施予定だった4号建築物特例の廃止について……その主 な概要は次のとおりである。


改正建築基準法の影響
 法令改訂前の駆け込みによる着工件数の増加とその反動からくる減少は経験していたが、正直、平成19年6月の改正で着 工数が前年比4割を切るという事態は想定外だった。木造にまで影響が及び相当あわてたのは事実だ。様々な法令告示をい じるとその関連業界に非常に影響を及ぼすので、事前に色々講習を行ない被害を最小限に留めたいと考えてきた。しかし今 回、木造に限らず鉄筋、コンクリートなど全ての建築物に影響を及ぼし、着工件数の大幅減少に結び付いた。現在再度見直 しに向けて議論を重ねている。
 建築基準法改正により、川上側(図面、設計の段階)で全ての情報を集約する形にしたため、各業界から情報の提供が必 要になる。いずれ木造についても“川上側での集約”という形に変わっていくだろう。


国内木造住宅の現状
 我が国の住宅事情は戦後の住宅不足を解消して2003年にはストック数約5000万戸を超え、住宅総数に比べて10数%高くな った。しかし戸建住宅の平均床面積が欧米の水準に匹敵しているのに対し、共同住宅に関しては遥かに面積は狭いという両 極端な状況にある。平成19年に行なった国民世論調査では、木造に対する愛着度は非常に高く、シックハウスなどの問題も あり木造を好む人が8割を超え品質面での充実を求める声が高まっていることがわかった。
 19度は建築基準法改正の影響で着工件数は落ちたが、それでも木造はマンションブームで比率を落としつつも全体の4 割を占め健闘。実際、戦後住宅は木造が中心だったのでストック数のうち約9割は木造である。その比率は、一戸建ての中 では在来木造が主流で6〜7割、集合住宅などは鉄骨・鉄筋コンクリートが主だが、それでも木造が1割ほど市場を占め始め た。また木造を支える熟練した大工の減少、合理化、ビルダー技術の未熟さ、など様々な原因により木造の品質低下を補う ためプレカットが発達。非常に精度が高く良い部材が供給されるので現場での仕事の手間も軽減でき、現在8〜9割でプレカ ット化が進んでいる。それでも在来木造住宅の約6割は中小の大工、工務店が施工を行ない、反面、2×4やプレハブなどは 大きな住宅メーカーが中心になって供給している。これが現在の木造界の状況だ。
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