■時の話題/特集-月刊ウッドミック300号発行に寄せて
「日本の木材産業は明るい・・・!」 日本輸入木工機械協会会長 桑原 柾人
 300号発刊記念おめでとうございます。あらためてウッドミックの皆様の25年間のご努力と業界発展のための ご尽力に敬意を申し上げます。
 ウッドミックの編集者から、何か明るいことを書いていただきたいとの依頼がございました。この日本の木 材産業は明るいというのが私の持論でもあります。
 理由は簡単です。一つは日本人が非常に製造に適した人種であること。
 木材産業の製品は一般的に付加価値の割には容積あり、そう遠方から輸送する商品ではなく、ローカル産業 なので生産の海外へシフトは起こりにくい産業であること。衣食住の中で、衣食は先進国水準かそれ以上である にもかかわらず、住に関してはどう見ても先進国水準とは思えません。そして住に関して、木材は重要な材料で あること。そして今人類にとって最も重要な環境問題でも木材の関わりは重要なこと。とういうことで木材産業 は我が国にとっては必要で重要な産業であるからです。それで国際競争力さえあれば、我が国の木材産業の将来 はどう考えても明るいと考えるからです。
 しかしながら、私どものような個々の企業を見てみますと、明るい産業にいる割に現実は厳しいというのが実 感です。これは高度成長時代とその後のバブル時代ように、多くの企業が成長したり、存続できたりした時代は 1996年の生産年齢人口(15歳から64歳の人口)の減少、そして2006年の総人口減少の時代で完全に終わったから だと考えます。1996年から稼ぐ人の数の減少、2005年からはトータルのマーケットの縮小が始まったからです。 実際にはグローバル化していますので、世界をマーケットと考えますとそうとは言えない産業もあるかもしれま せん。この2点により国内でのすべての商売が年々厳しくなっているのが現実だと思います。
 ここで現在重要になってきているのが生産性です。日本政府がGDP国内総生産を常にプラスに持って行こうとし ています。これはあたりまえのことで、GDPマイナスは簡単に言えば国民の生活水準の低下を意味するからです。 しかしながら1996年からは働く人の数の減少が始まっています。企業でいいますと従業員を減らして、売り上げ を伸ばすのと同じことです。よって国全体の生産性をアップすること、その業界そして個々の企業、最終的には 個々の生産性をアップさせることが重要になるわけです。 日本の木材産業が条件的には明るいことは間違いな いのですが、生産性が他の国の木材産業のものより低い場合には、日本の木材産業は生き残ることはできません。 これは日本の木材産業の中でみた場合も生産性のより高い企業が存続し、低い企業が脱落するわけです。つまり 同じ業界でも必ず元気な会社とそうでない会社が必ずできてきます。生産性の高い企業だけが残った業界は、業 界自体が生き残り、効率のよい業界は回り回って日本の生活水準の向上にも貢献することになるわけです。
 私どもの日本輸入木工機械協会は、輸入木工機械の直接或いは代理販売企業の集まりです。ユーザー様が購入 された輸入機械を使用することにより生産性を向上させることが目的です。良い設備を購入すれば単純に生産性 がアップするというわけではありませんが、その手段としては重要なものであることは間違いありません。しか しながマクロでみますと他の先進国と比べて木工機の消費が非常に少ないのが現実です。
 表とグラフは私と他の国の業界の友人からいただいた、各国の木工機械の年間消費額の推定です(ボード製造 等の大型設備の金額は含まれていません)。それを人口一人あたりの年間の木工機械の消費額を算出しますと、 日本の消費額は約600円/人年で、ドイツは約2100円/人年で日本の3倍以上となっています。イタリア、アメリカ は下がりますがそれでも日本よりは多い金額となっています。数値が推定であるのと、為替の関係により大雑把 ではありますが、私の私見では欧米先進国はだいたい一人当たり日本の最低2倍の木工機械を年間に消費している と推測しています。木工機械の消費が少ないので日本の木材産業の生産性が低いとは単純には言えませんが、業 界をマクロで見た場合の設備投資は低いことは間違いありません。
 手前勝手でありますが、適正な設備投資をさらに行うことによる、生産性アップが、日本の木材業界をさらに 明るいものとする大きな要因であると確信しております。



 有名な経営学者ドラッカー氏の著書の一節に次のような一文がありまた。 『今日の基本的な資源は情報である。しかるに、情報は他の資源と異なり、稀少性の原理に従わない。潤沢性の 原理に従う。本を売れば、その本は手元からなくなる。ところが、情報は売っても残る。むしろ大勢がもつほど 価値がある。』   私にはあまり意味が分からずグーグルで前文を検索しました。簡単にいいますと 「自分達の知っていることや 考えていることはどんどん公開する方が良いのである」ということのようです。

 業界の情報や意見を多数の人に伝えるしっかりした媒体の存在は業界の生産性のアップ、発展に非常に重要です。 25年間存続されたことはやはり業界に支持され貢献された証です。この業界の明るい未来を切り開いていくため にウッドミック社がさらに貢献されることを期待しています。

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