■ 建築確認に混乱の住宅業界
  国交省、円滑運用へ腰上げる
 建築確認の厳格化に伴い住宅着工数が大幅に落ち込んでいるが、その運用円滑化へ国 土交通省が動き始めた。  耐震強度の偽装事件を機に6月20日、その強化を柱とした改正建築基準法が施行され たが、その後の住宅着工数は7月(8.2万戸)が前年比23%減、翌8月(6.3万戸)は実に 同43%もの激減を示し、産業界に大きな打撃を与えている。そのため国交省は近く、 その審査を担う特定行政庁や指定の確認審査機関、適合性判定機関などを対象に説明会 を開くとともに、施工業者からの相談窓口も各都道府県に設置しながら、各審査機関へ 運用の統一化や手続きの円滑化などを働きかけていく考えだ。


 必要以上に厳しくなった建築確認の影響は、前述のように住宅関連業界を直撃。「責 任の明確化と罰則を恐れた公的機関が建築確認の作業を民間に投げた」(事情筋)と推 測されながらも、その申請作業や設計者負担などの増大とともに、その多くが「仕事が 極端に止まった」(住宅設備メーカー)から事態は深刻だ。


 8月の住宅着工数を見ても在来木造が34%、2×4工法も38%前年を下回ったが、それ 以上に深刻なのは構造計算や同適合性判定が必要な物件が多い貸家や分譲。貸家は47%、 分譲に至っては52%もの大幅減を記録している。


 そのため、当機械業界からも冬柴鉄三国交相と同じ公明党の執行部に口頭で改善を求 めたり、建築士の全国団体なども国交省に改善を含む要望書などを提出してきた。「耐 震強度の事件はマンションなど高層住宅の建設が問題になったもの。それを加工や施工 箇所が決まっており、その図解までされているオープン工法の一般住宅にまで矛先を向 けるのは的外れ」(前出の事情筋)にもかかわらず、結果的に「個々に構造計算が必要 な高層住宅と違う一般住宅にも、本来はやらなくて済む箇所や材料にまでチェックが厳 しくなった」からだという。…建築確認がなかなか下りなければ着工は進まず、必然的 に売上げも停滞するという図式が簡単に出来上がる。


 しかも、審査機関によってマニュアルなど対応もまちまち。申請時の添付図書(書類) や要求範囲が機関で異なったり、また別の資料を求められたりと、これらによって審査 自体が複雑で長期化している。そうなれば申請後の設計変更もむずかしくなるし、工期 の遅れが金利負担やコストアップを招く。  これらを受けて国交省では、構造設計に関する推奨事項の採用を指導することは適切 でないと判断するとともに、大臣認定書の写しとは別の添付図書については、構造方法 などの仕様が示されていれば、ホルムアルデヒドや防火に関する使用材料は、種別が明 記されていれば、不要との考えを示している。また施工の一部変更では、確認申請時に あらかじめ変更事項への対応を明記すれば、改めて変更手続きはいらないともしている。

(編集部)

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