■ 今後の建材からのVOC発散抑制への取り組み
  VOC発散に関する自主規制動向

(社)日本建材・住宅設備産業協会 品質委員長
松下電工(株) 住建事業企画室 藤田 清臣

表1.室内空気中の化学物質濃度の実態調査結果
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
平成16年6月
以前着工分
16年度
平成16年6月
以降着工分
ホルムアルデヒド
28.7%
13.3%
7.1%
5.6%
1.6%
1.3%
トルエン
13.6%
6.4%
4.8%
2.2%
0.6%
0.7%
キシレン
0.2%
0.3%
なし
0.1%
0.2%
0.3%
エチルベンゼン
なし
なし
なし
なし
なし
なし
スチレン
実施せず
1.1%
なし
0.1%
0.1%
0.1%
アセトアルデヒド
実施せず
実施せず
9.2%
9.5%
9.7%
10.2%

国土交通省ホームページより

 シックハウス症候群の広がりが社会問題としてクローズアップされた結 果、シックハウスに係る改正建築基準法が、平成14年7月公布され、平 成15年7月1日施行されて後三年が経過した。本改正法では、多くの木 質建材や接着剤・塗料などが、ホルムアルデヒド発散建築材料に指定され た。
 内装材仕上げ材などの木質建材(化粧板)は、ホルムアルデヒド発散建 築材料に指定された、合板やパーティクルボード・中比重繊維板(MDF) を基材に、その表面に化粧シートや突き板を接着し、多くは塗装仕上げを 施して製品化される。また、屋内に設置されるシステムキッチンなどの住 宅設備機器なども、化粧板やパーティクルボードなどの材料を用いてその キャビネットや扉を製造し組み立てられている。
 これらの製品の製造時に使用される接着剤や塗料に、ホルムアルデヒド やトルエン・キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)が含まれるため、 木質建材や住宅設備機器がホルムアルデヒドやVOCの発生源として注目 された。
 そこで、関連業界では、これら化粧板や住宅設備機器からのホルムアル デヒドやVOCの低減化として、製造時に使用する化粧板(化粧シート・ 化粧用突き板)を貼付する接着剤や、表面を化粧塗装仕上げする塗料を、 水性化するなど、ホルムアルデヒドやVOCの発散しにくい材料に転換す ることで効果をあげている。
 国土交通省が実施している室内空気中の化学物質濃度の実態調査結果 (表1)では、厚生労働省の示す室内濃度指針値を超える住宅件数の割合 について、年々低下傾向を見せており、改善が進んでいることが見て取れ る。木質建材や住宅設備機器におけるVOC発散低減化への努力も一助に なったことであろう。

(編集部)

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