ウッドミックニュース



《時の話題》
スギCLT3階建て3棟の振動台実験
基本的な構造設計法のモデル化構築は間近に!


開口部が大きく空いた試験体D(右・大判パネル)E(左・小幅パネル)1/19?の公開実験時〕


 CLTを用いた木質構造の設計法構築事業における実大振動台実験が1月18〜19日と25〜26日の2回に亘り、兵庫県三木市のE-ディフェンスで行なわれた。同実験は国土交通省の「CLTを用いた木造建築基準の高度化推進事業」の一環として進められており、国立研究開発法人 防災科学技術研究所との共同実験となる。実験主体は(一社)日本CLT協会(中島浩一郎会長)、(一社)木を活かす建築推進協議会(大橋好光代表理事)、(株)日本システム設計(三宅辰哉代表取締役)である。
 今回の実験は、昨年2月に行なわれた振動台実験のB棟(3階建て)をベースに、壁に3層3プライ(90mm)のCLTパネル、床と屋根は7層7プライ(210mm)のCLTパネルで構成され、短辺6m長辺9mの大きさの3階建てのC棟、D棟、E棟の3棟で行なわれた。これら3棟は、D棟E棟は開口部が大きく、C棟はそれより開口部が少し小さく壁が多い。また、C棟D棟は幅6m×高さが階高の大判CLTパネルに開口部をくりぬいて壁面を構成。E棟は幅1m以下の小幅パネルを組み合わせて壁面が構成されている。
 実験は、18〜19日にD棟E棟を同時加振。25〜26日にC棟が加振された。尚、取材は1月19日のD棟E棟公開実験時であり、その際の実験内容・結果速報を紹介する。

設計ワーキンググループ主査 工学院大学の河合直人教授の説明によれば、建築基準法上、構造設計のルートは許容応力度計算(ルート1)、許容応力度等計算(ルート2)、保有水平耐力計算(ルート3)、限界耐力計算の4つ。昨年度(平成26年度)までは、大地震動時の性能を確認するため、ルート3あるいは限界耐力計算で設計するルートを中心に検討されてきた。従って、昨年度は限界耐力計算をベースにして十分安全な設計を行なった試験体A棟(5階建て)とB棟(3階建て)の振動実験が行なわれている〔2015年2月に実験、本誌2015年3月号既報〕。
 今年度は、大地震動時は直接的に考慮せずに、中地震動時に安全限界内に収まるかどうかを確認する目的でルート1とルート2の設計法が検討されてきたとのこと。中地震動時の各部に加わる応力を割り増して安全性を確保していけば、大地震動時にも自動的に安全な設計になるとの考え方で、今回の実験はこの設計の考え方が妥当であるかどうか確認することが主目的となっている。
 加振は、1日目に建築基準法に規定される稀に発生する地震(中地震動)に相当するBSL18%の人工地震波と安全限界に達するぎりぎりの入力値(BSL建物長手方向70%、短辺方向60%)の2種類の加振を実施。2日目の公開実験時に、建築基準法に規定される極めて稀に発生する地震(大地震動)に相当するBSL 90%を建物の短辺方向に入力して行なわれた。
―――――(中略)―――――
 さて、昨年度よりCLT構造物の構造設計法の基準化モデルが検討されてきたわけだが、基本的な考え方は、……
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