ウッドミックニュース



《海外視察》
環境首都、ドイツ・フライブルク市の町づくりと黒い森を視る
環境共生のための多様性保持とは
《ウッドミック ドイツ林業視察ツアーより》



▲フライブルク・ヴォーバン地区

 本視察ツアーは、弊誌企画の「リグナ&インターツム2013とドイツ林業視察ツアー」の中の一行程である。記者にとっては2度目のフライブルク訪問で、懐かしさと共に2年間で変わったところ変わらないところが非常に新鮮に映ったのだが、ツアー参加者の方々にとっては、見るも聞くも初めての体験ばかり。強烈な印象と驚きが皆を包み、外を知ることで改めて日本を考える良い機会となったに違いない。
 尚、同市で2日間案内をしてくれたのは、2年前にもお世話になった森林環境コーディネーターの池田憲昭氏(アーチoジョイントoビジョン社代表、www.arch-joint-vision.com、www.nippon-forest-vision.jpを参照)である。
◆フライブルク市内篇
 フライブルク初日、ヴォーバン住宅地の町づくりを解説してくれたのはアンドレオス・デレスケ氏(通訳は池田氏)である。デレスケ氏はヴォーバン地区の都市計画当初から携わっており、環境都市として歩み出したその歴史から語ってくれた。
 1970年代、この地域で原子力発電所の建設計画があったそうだ。ところが近郊の多くのワイン農家が原発によるブドウ畑への影響を心配し、やがて農家だけでなく地域全体で大規模な反対運動が展開されるようになった。州政府の保守党は地域での票を徐々に失っていき、終に原発建設は中止となった。
 その後、フライブルクには環境研究所が設立され、原発や化石燃料に頼らない代替エネルギー源の研究がされるようになった。ソーラー電池、ソーラー温水器、コージェネレーションなどはその頃から開発されている。
 一九九四年、エコ建築家のロルフ・ディッシュ氏が再生可能エネルギーの可能性を証明するため、……

◆黒い森(シュヴァルツヴァルト)篇

 フライブルクの中心地から黒い森の入り口までは路面電車で約10分。駅からすぐに森の林道コースへ入ることができる。池田氏の林業レクチャーを聞きドイツの林業施業について知識を得た後である。実際の森を歩き、眼で見ることで、知識は経験という糧になっていく。
 黒い森(シュヴァルツヴァルト)の南西部にあたる約6000ヘクタールの森は、フライブルクの市有林。ドイツの森は高性能な林道が100〜150m間隔で等高線に沿って山をなでるように整備されており、その道を40トンのトラックが材を積んで走っていく。林道はまた、市民がハイキング、ジョギング、サイクリングなどに利用する生活インフラともなっている。この森を人口約23万人の市民や訪問客がどれだけ活用しているのか調べたところ、森には年間延べ400万人が訪れているそうだ。
 林道は砂利を隙間なく固めて水が中に入らない構造で中央が盛り上がっている。7〜10%の……
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