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世界初、140段のアコーディオンホットプレスシステム(横型プレス)を発表
(株)太平製作所




▲140段アコーディオンホットプレス(排出側)
 合板・木工・産業機械メーカーの(株)太平製作所(愛知県小牧市入鹿出新田宮前955番8、神谷慎二社長、TEL 0568-73-6421)はこの程、国産材の中でも軟質の「スギ」材に対応した横型140段の「P25-AB型アコーディオンホットプレスシステム」(以下、アコーディオンプレス)を開発したのを機に、4月19日、同社のOB等約50人を本社工場へ招いて、公開試運転を兼ねて140段アコーディオンホットプレスの見学会を開催した。
 国産スギ材などの比較的軟質材で合板を製造する場合、従来の縦型多段式プレスでは50段以上を使用しての作業では、下段の合板と上段で圧締される合板では圧締力の掛かり方に不均一さが生じる為、下段の合板木部により大きな荷重が掛かかり圧縮されて、厚みが均等な合板製品が生産できないという課題が発生していた。
 同社の開発陣は、これを「縦型の多段プレスを横型の多段プレスにしたら」とのアイデアを基に研究開発を進めた結果、1986年(昭和61年)に横型の80段・アコーディオンプレスを見事完成させ、開発1号機を広島の(株)住建産業(現在の(株)ウッドワン)へ納めている。
 その後、 アコーディオンプレスは国内合板工場はもとより、マレーシア、韓国、インドネシアの工場へも設置され、この度の最新140段アコーディオンホットプレスシステムは、記念すべき完成50台目となる横型プレス装置となった

▲始動ボタンを押す左から神谷慎二社長、名南製作所の長谷川克次相談役、そして太平製作所OB代表の有我政雄さん

 世界初となる140段アコーディオンプレス機は、奇しくも1号機開発・納品から28年を経て、正に記念すべき50台目となる新型プレスであった。
 約50人ものOBを前に神谷慎二社長は「今から30年前、太平製作所のOBでもあり現在は名南製作所の長谷川克次相談役から、新型プレスの開発に際し『縦のものを横にしてみろ』とのアイデアを頂いた。当時は縦型プレス全盛の時代で営業社員からは『そんなもの誰が売るんだ!』と大反対の声。それを尻目に『やってみよう!』との開発設計の先輩らがチャレンジし、開発できたと聞いている。
 また、1907年(明治40年)に……
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栄建具工芸を訪ねて


▲昭和56年の全国建具展示会で「内閣総理大臣賞」を受賞した横田氏の作品。木機展会場で展示披瀝された

「木工機械が繋ぐ木材と住宅・建築・インテリア・デザイン」講演会に登場していただいた栄建具工芸(長野市篠ノ井横田615、TEL 026-292-1593)代表の横田栄一氏は、建具・組子細工の世界では今日、窮めて著名な職人で且親方という現代の名工の一人である。
 若干、25歳で独立し、昭和41年に栄工芸を設立。昭和46年に栄建具工芸へ改称し現在に至る。これまでに12人の弟子を輩出させ、現在も5人の内弟子を抱え、一般建具の製作から文化財の修復の仕事まで忙しい毎日を過ごしている。
 長野市篠ノ井横田615にある会社に隣接して、正に展示場を兼ての自宅がある。外からは2階建て仕様に見えるが内に入って判ったのは、廊下や部屋の天井がかなり高めに造ってある平屋で、建具は全て技術の粋を凝らした自作の素晴らしい作品で構成されていた。
 なかでも栄建具工芸が得意とする技術に、組子(くみこ)と呼ばれる様々なパターンのデザインを木で組み付ける技術があるが、横田氏が障子や襖に組子装飾を施した建具作品は、既に内閣総理大臣賞を5回も受賞している。


▲自宅で語る横田栄一氏

 ……横田氏は自分の修業時代を振り返り語る。「当時、弟子入りした私が他の人と違っていたのかもしれないけれど、私は四六時中仕事だと思っていたから遅くまでこっそり仕事していると、親方に『早く終え! 早く寝ろ!』とよく叱られた。今の仕事場はストーブをガンガン焚いて暖かくして仕事しているのと違って、寒くて鼻水垂らしながら仕事した。それくらい仕事が楽しかった。修行中は楽しいですよ、だって知らないことを次の日には覚えられるから。そうして段々難しい仕事が出来る様に成るから楽しい。時間で止めたら勿体無いと思っていた」と、手間暇掛かる仕事をやっているのだからもう少し意欲を持って、独立して始めるくらいに成って欲しいと語る。
 しかし現実は、「建具屋として独立するには、土地が要る、材料が要る、材料も寝かせて置かなくてはならないし、加工機械も必要だ。素手だけで仕事するのは不可能(過去の事)だから、建具屋としては独立しにくい職 種になった。私が始めた頃は……」

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