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【CLT特集】
欧州にみられるCLT(直交集成板)の生産加工機械について



 今年1月、満を持してCLTのJAS(日本農林規格)が施行された。JASにおけるCLTは「直交集成板」と名付けられ、今後、早急にJAS認定に基づくCLT構造の技術基準策定の為の性能試験が進められる。このCLTのJAS制定に先立ち2012年1月、岡山・銘健工業(株)、鹿児島・山佐木材(株)、島根・(協組)レングスの3社で日本CLT協会(中島浩一郎会長)を発足させ会員を募集し、現在は約80社が入会している。日本CLT協会は、今後も引き続いての会員募集中である。
 ヨーロッパ発祥のCLTは、EUをはじめ北米で生産と利用が拡大しているが、日本でも地域材利用の大きな柱として生産、普及拡大への関係業界の期待は大きい。村田農林水産大臣も記者会見の中で「木材需要喚起の為の柱としてCLTに取り組みたい」旨の発言を行なっており、林野庁でも木造建築を管轄する国土交通省と連携してCLT普及拡大へ向けて鋭意、周到に準備を急いでるところだ。
さて、CLTにはどんなメリットがあるのか。まず、JASの名称にある「直交集成板」である通り、ひき板(ラミナ)または小角材を幅方向に並べたものを繊維方向が直交するように3、5、7層に積層接着した製品で(図1)、木質構造材料の中でも大きな面材として利用できることが挙げられる。また利用樹種についても、これまで日本で採用されている国内外の建築用針葉樹材の殆どがJAS規格に樹種区分として盛り込んであり、特に日本にあってはLVLと並んでスギ材の有効活用としての大量需要が望める。木造建築場面での採用が、ひいては日本の森林資源の循環的利用と林業の安定化をもたらすと期待されている。
 CLTは積層材である為厚みがあり断熱性に優れ、また地震にも強く、寸法安定性も高く精度の高い機械加工が可能である。大きな面材であり、工場での機械生産が容易なので、結果的に施工現場での効率的な組み立てが出来、建築コストの圧縮にも貢献できる代物である。これについては2007年に兵庫の防災研究所で実施された7階建ての振動実験でも強固な耐震性能を発揮していることが証明されているし、ロンドンでは8階建ての木質構造建物が実際に建てられている。日本でも今年3月に高知県で製材工場の社員寮が初めて地域材によるCLT構造(特認)の3階建て建物として建てられている。


CLT
による高知おおとよ製材()社員寮建設現場風景(CLT協会パンフより)

今後、日本でのCLTJAS規格を満たす登録工場での生産が本格化し、専用の加工機械も数多登場することとなろうが、既にCLT先進地での生産加工機について日本輸入木工機械協会(JWTA、安居 実会長)メンバー社並びにアウトサイダーの企業からも情報が寄せられているので、早速紹介したいと思う。

なお、東京大学アジア生物資源環境研究センターの高橋富雄氏からも木材加工技術の専門家として「欧州におけるCLT生産設備の概要」のタイトルで情報を寄せて頂いたので掲載する。

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