ここでも30数名の方が亡くなった


ウッドミックニュース

【講演】
建築関係紛争の実態と地域工務店グループのチャンスについて
弁護士法人匠総合法律事務所 弁護士 秋野卓生氏

 秋野卓生弁護士は、慶応義塾大学法学部法律学科在籍中に司法試験に合格。現在は日本で唯一、住宅業界専門の法律事務所、「弁護士法人匠総合法律事務所」(東京都千代田区紀尾井町3-8 第2紀尾井町ビル6階、TEL 03-5212-3931)の代表弁護士である。建築物を建てる時や建てた後に、どのような問題や紛争が起こるのか……。これは、木材利用システム研究会(事務局=東京都文京区弥生1?-1 7号館B棟?*439東京大学アジア生物資源環境研究センター内、井上雅文会長、TEL 03-5841-7506)の2013年1月の月例研究会で、秋野弁護士により講演された内容である。
◆住宅業界はトラブル産業
 住宅業界は昔からトラブル産業と言われており、特にこの十数年で加速化した動きを見せている。
 きっかけは、欠陥住宅が社会問題化したと言われる1998年の「秋住事件」集団訴訟だろう。この過程の中で、欠陥住宅は消費者問題であるとして社会問題化し、消費者擁護団体が全国各地に生まれた。
 様々な消費者問題は、「消費者の敵は事業者」という場合が多い。住宅における消費者問題のメインは木造住宅で、木造住宅のトラブルが全体の7〜8割を占めている。大方は「建て替え」を要求する内容だ。
 そのような流れの中で、2000年に「住宅品質確保促進法」ができて、主要構造部と雨水の進入部の瑕疵担保期間が10年に義務化された。また、建築基準法も改正され、2001年に消費者契約法も施行となり、相次いで法律が改正・施行された。2002年、最高裁判所は消費者からの建て替え費用の賠償請求を認める判決を出した。この判決を受けて、更に建て替えを求める裁判が加速化している。
 木造住宅の裁判の中で、非常に頭が痛いのが、構造計算などの義務がない4号特例だ。これが建築裁判になると、いきなり、許容応力度計算をして構造欠陥だという主張を展開される。そこで補強梁を抱かせる工法を提示すると、それで契約レベルがクリアできるのかという論点に発展していく。裁判の中には、消費者から家の中のアラ探しをされ、損害賠償を請求される事案もある。

 そのような中で起きたのが、2005年の姉歯事件だった。更に業界不信といったものが増していく中で、建築基準法が改正され、建築士法も建設業法も、ありとあらゆる法律が改正されて、罰則強化、構造計算書の適合性判定が導入された。
 その後2007年、業界的に非常に有名な最高裁の判決が出た。建物が10年保証でも、不法行為がある手抜き工事については、不法行為の時効は、不法行為時点から20年。20年間も責任を負わされる瑕疵とは何かという論点に対して、「基本的な安全性を損なう瑕疵については、不法行為責任を負うように」と、判決が出た。その後、2009年に、住宅瑕疵担保履行法が施行された。
 姉歯事件ではマンション建築の事業主(売主)は破産、建設会社も破産したケースもある。エンドユーザーがいくら20年間の瑕疵担保責任を追及できると言っても「事業主も売主も破産、建設会社も破産では責任追及する相手がいない」と言われる中で、住宅瑕疵担保履行法ができた。
 この法律は非常に成功している法律なのではないだろうか。私共も欠陥住宅の裁判を多くやっているが、……(続きは本誌をご購読ください)

【話題あれこれ】
ストラクチュラム・プロダクツ社(カナダ)が製造するCLT製品について
  国際セールスマネージャー コリン・チョルノハウス氏が来日して解説

 カナダのヘビーティンバー製造企業であるストラクチュラム・プロダクツ社太平洋沿岸事務所の国際セールス担当部長、コリン・チョルノハウス氏が、去る3月に来日された。同氏はエンジニアドウッドとヘビーティンバー関連業界に25年間従事されており、カナダBC州応用科学・工学協会が認定する木質構造設計技術士でもある。
 ストラクチュラム社は、カナダ最大級のヘビーティンバー製品〔集成材、パララム、ヘビーティンバー等〕の製造会社である。カナダの認証材を使用した製品は、建築家・設計者・エンジニアと協同して3D?DCADを駆使した加工図を元に、ヨーロッパ製5軸CNC機でプレカットし、ドイツ製接合金具と合わせた組み立て可能な完全パッケージとして供給される。
 同社は2011年6月に、BC州オカナガンに1200万ドルを投資して、CLT(CrossLaminated Timber、直交積層材)パネル製造工場を設立した。

 同社のクロスラムはSPFを素材に、基本的には2ラ4工法で使われるものと同じ2ラ6サイズのランバーを使用している。これにより特別サイズのラミナを作る必要もなく、同じ材料を使うことでコストも抑えられる。
 CLT工場は1シフトで10〜12パネルを生産可能。3層、5層、7層、9層と奇数で積層され、最大サイズは10フィート×40フィート(約3m×約12m)、最大厚み309mmまで製造できる。
 その特長は、@寸法安定性、Aコンクリートの六分の一の重量で建物全体を軽量化、B鉄・コンクリートよりコスト軽減、Cコンクリートの三分の一の厚みで空間を広く使用、D建設工期の短縮、E少人数で簡単な施工、などである。
 クロスラムは、中小規模・大規模木構造建築物、駅舎、クラブハウス、ショッピングモール、レストランなど多目的に利用され、あらゆる建築物の造形美を大胆に表現する。クロスラムを用いた、木造建築物の可能性を大いに広げる様々なプロジェクトが進行している。

【寄稿】
インドネシアのSLVK(材木適法性証明)について
ムトゥアグン ルスタリ(株) 顧問 音野太希

 SLVK(Sertifikat Legalitas Verifikasi Kayu、材木適法性証明)検証は、インドネシア木材の合法性枠組みのガイドラインとして、原木の原産地、輸送、製造、出荷すべてをログにより記録されている事を保証するものである。違法伐採を抑制し、川上から川下まで全ての段階におけるインドネシア木材産業を保護するために制定されたものである。
 この証明はインドネシア木材製品の競争優位性を高め、公共の福祉を向上し、持続可能な森林経営を行なうことに貢献することを目的に制定された。
 従来のSLVK検証は、その合法性を担保する書類として林産業活性化機構による承認書(以下、BRIKエンドースメント)を用いていた。エンドースメントが根拠としているのは、
・伐採地から丸太を搬出する際に必要な合法。
・林産物証明SKSKB(合法材証明)。
・FAKB(原木輸送インボイス)。
・SKAU(原産地証明)などが該当)。
・工場から製品を搬出する際に添付される同証明書のデータ、であった。
 しかし、インドネシアには伐採または加工による木材製品の合法性検証システムが官ベース、民ベースを問わず複数存在していた。そこで、以前の通産大臣規則第20/2008を、2012年10月22日付通産大臣規則第64/2012に改定し、2013年1月1日から合法性検証システムを統一した。
 その方法は、SLVKスキームの下で証明された合法性証明書の保有者に対し、製品の輸出時にV・Legal(Verifikasi豊egal、合法性証明)証明書の添付を義務付けるものである。この新システムにより、従来の農林大臣による生産時の合法性証明と通産大臣による輸出時の合法性証明が融合される形となった。
 現在の合法性検証システムは、インドネシアの法人であるLVLK(材木適法性立証委員会)が行なっている。
 最新合法証明である「V・Legal」証書の検証を行なう機関は、KANと言われるインドネシア国家認定機関委員会である。
 インドネシア国家認証機関委員会(KAN)は、インドネシア国家標準化庁(BSN)に属し、認証制度を管理監督する機関である。
 この機関により11団体が認証機関として認定を受けている。
 この検証団体をLIU(License information Unit ライセンス情報ユニット)と称する。
 
◆V・Legal証明書を作成する流れ
 @申請者が、LIUの検証機関である民間の検証会社に申請を行なう。
 Aその後、検証会社は、申請書を確認する。
 確認事項として、原木の原産地証明、木材輸送業務インボイス、原木インボイスの、それぞれで合法性の証明を確認する。また、輸出品検査において、インボイス及び包装明細書の確認を行なう(従来のシステムは書類のみの確認であり、木材輸送業務のインボイスの確認を伴っていなかった故に、途中で違法材の混ざる可能性があった)。
 B検査報告書に問題がなければ、申請者は検証会社に申請書を提出する。
 C検証会社は申請書をLVLKに送る。
 検証会社とLVLK、通産省、各団体は、SILK(材木適法性情報システム)と呼ばれる電子媒体システムネットワークで繋がっている。このネットワークにより検査の遅延を防ぎ情報の共有を行う事で、スピィーディーに合法性証明の発給・管理を行なう事が出来るようになった。
 EUとの間で、FLEGT・VPA (森林法の施行・ガバナンス・貿易に関する欧州連合行動計画)に基づき、自主的二国間協定(VPA)締結に向けた批准手続きが進んでいる。2013年9月にはインドネシアとEU両方のFLEGT・VPAが完了する予定との事である。
▽日本オフィス
〒894-0411、鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木222-1、TEL&FAX 0997-62-3150
taiki_otono@mutucertification.com、又は、taki_otono@yahoo.co.jp

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