▲2011.3.震災から間もない南三陸町にて撮影。防災センタービル。
 ここでも30数名の方が亡くなった
ウッドミックニュース

寄稿
砂浜のあしあと
東日本大震災ボランティア体験記(1)
「今、一年をふりかえって」
(株)ノア・デジタル 代表 近藤 高史

長くもあり、短くもあった一年

 新しい年を迎え、あの東日本大震災からまもなく一年を迎えようとしている。あの時は、まるで世界のすべてが止まったかのように、しばらくはテレビも新聞もありとあらゆるニュースが、震災関連のものに埋め尽くされていた。心に重くのしかかった不安な気持ちを、今でも鮮明に思い出される方も少なくないだろう。
 しかしその一方で、あれほど大きな事象がこの国で、しかもその気になれば一日で行ける東北の地で起きたにも関わらず、もしかするとそれが何かもう過去の出来事として、知らず知らずの内に心の隅に片付けられ始めている方も、あるいはあるかもしれない。それほどに慌ただしくすべてが過ぎてゆく昨今の世の中ではある。
 私は愛知県名古屋市で印刷業を営む一市民、一ビジネスマンにすぎないが、この一年、折にふれ機会あるごとに、ボランティアとしてこの度の震災に関ってきた。そして一年近く経った今も少なからずその関わりを、日常の仕事や家族との時間の傍らに持ち続けている。決して人前に誇れるようなことをしたわけではないが、自らに課したことはただ一つ『震災とそこで傷ついた人々を、忘れずにいよう』ということだった。『忘れずにいる』ということは、簡単なようで意外と難しく、無意味なようで実は大切なことではないだろうか。そのことをこの連載を通して分かち合いたいと思っている。
〔『砂浜のあしあと』は2012年1月号より本誌にて連載開始されました。ぜひ本誌をご購読のうえ、ご高覧ください〕