■時の話題
  今秋の「第39回名古屋国際木工機械展」に臨む決意を
  服部行男実行委員長が記者会見で披瀝

 今秋10月28日(水)〜31日(土)まで名古屋市金城ふ頭の「ポートメッセなごや」にて開催の「第39回名古屋国際 木工機械展/ウッド エコテック2009」を運営する実行委員会(名古屋市中区上前津1丁目3番33号、服部行男実行 委員長、TEL052-321-4470)は2月20日(金)午後4時から、同所会議室で標題に関しての記者会見を開いた。
 なおそれに先立ち3時から、中部木工機械記者クラブが臨時総会を開き、最近のクラブ員の異動に伴う正規の在 り方を巡る懸案事項等を審議し、現状構成8社と夫々の選任記者を定め承認した(この件は省略)。
 本番の記者会見では伊藤正祥事務局長から今席の趣旨説明があり、次いでさっそく「第39回名古屋国際木工機 械展/ウッド エコテック2009」を運営する服部行男実行委員長から、報道機関も最大限に協力態勢を敷き尽力願 いたい、として次のような決意表明が力強くなされた――


 ――前略、既に「出品のご案内」を通し我々主催者としての運営趣旨は申し述べてありますので繰り返しを避 けますが、皆さんご承知のように100年に1度といわれる極めて厳しい経済状況に晒された渦中での、「木機展・ 名古屋2009(公式略称)」になろうかと思われますが、厳しいだけにまた前回展とは違った意味での緊張感に包ま れ、それ故かえって関係者一丸となって真摯に頑張れると信じます。
 そういう意味で私も実行委員長としての重い役割を頂戴してはおりますが、心底は一出品者の立場から「ピン チこそチャンス」と受け止めて、懸命に臨まねばならないと決意しているところです。とはいえ正直いって前回 展並みには行くまいなと覚悟してはいますが、比較という点で申しますと前回展は予期せぬ好ましき背景に恵ま れたわけでして、その折に私自身、名誉ある第1期の実行委員長を仰せつかって非常に好運だったと感謝の念を禁 じ得ませんが、しかしお陰様でまさに規模的にも内容的にも近年久々に味わう充実した会期を全うすることがで きました。


 いずれにしましても今回このような経済変動が有る無いに拘わらず、我が木工機械業界は日本の木材加工産業 を背負って立つ誇りと責任がありますので、自らの不遇を嘆いてばかりはいられません……私どもの会社は合板 機械メーカーですので幸か不幸か実直に木工機械一本槍で邁進してはおりますが、工業会の仲間の皆さんの状況 は極めて多岐多様に亘っているのが偽らざる実情です。
 例えば面白そうな設備を目の前にして「これ木工機?」と問えば、実はそうじゃなく古タイヤを潰して、固め て、それを鋪道に敷き詰め、水捌けの良いブロック製品にする機械だ、というわけで皆さん勇猛果敢に新規の市 場ニーズに合わせて奮闘努力している……木工機械メーカーが生産機種の半数をそのようにして、木と関係のな い他の様々な分野に挑戦の鉾先を向け懸命に生残り策を図っている……それは、せっかくの生業の木を離れて残 念というよりも、むしろ逞しさを感じて逆に勇気を与えられる思いです。これが我々業界の偽らざる現在の姿で す。
 しかし、ここから先の私の申し述べることはそうそう悲観的な話ばかりじゃないぞ!というわけです。
 世の識者はいろいろ訳知り顔に提言していますが、結局日本は内需の拡大以外に活路はもうありません。つま り国も可能な限りの大型予算を組んで、半ばインフレ覚悟で産業界に刺激を与え個人消費を押し上げるしか道は 残されていない……今までの輸出依存による外需拡大政策は、もう世界的に終わってしまったからです。
 といいますのは食糧でもエネルギーでも他国から買わずに、できるだけ自給自足で自国で賄うようにしなけれ ばならない……それについては仮に不合理であっても、余分なコストがかかっても、国民の総力で耐え凌いで頑 張るしかありません。そうした中で我が木材産業の活路は十分にある……自国の山々に木材資源は幸い沢山ある のですから、まず自給率を上げるだけでも大いなる発展の要素に満ちているのです。すなわち環境問題と均衡さ せながら国産材の利用拡大を促進することこそが、日本経済の復活の大きな原動力になる筈です。ぜひそのチャ ンスにしなければならない……冒頭に「ピンチこそチャンス」と敢て申し上げた所以でもあります。
 しかしそのためには革新的な技術開発の有無が問われます。で私ども機械メーカーとしては苦しい中、信念と 勇気を以て世界水準に遅れないよう開発投資に努めることが不可欠です。そうした必死の成果を「木機展・名古 屋2009」を通じて提示発信することができるとすれば、我々の存在意義は必ずや正当に評価されることでしょう 。ですから例え規模は前回展に届かないにしろ、内容は一段と技術力の高い出品機械に満ち溢れることが強く望 まれます。
 勝手に自社を例に挙げては恐縮ですが、私どもの技術陣の顔つきが最近大いに変わってきました。従来でもけ っこう真剣に頑張ってくれていた彼らが一段と厳しい緊張感に漲っている姿を見て、私は逆にまたとないチャン スに恵まれたぞ!と痛感しております。窮地に立った時にこそ人間は思いがけない底力を発揮するものだからで す。一出品者の立場で云々と申し上げたのもそれ故に、であります。
 既に周知のように名古屋近郷の、岐阜県中津川市では西北グループの手によって、オール国産材を使った大規 模な新鋭合板工場が建設されようとしています。がそこで私ども合板機械メーカーに要求される設備技術の在り 方は、今までの延長線上とは全く隔絶した考え方のものでして、そうでなければ新設する意味がないと断言され ているほどの高次元の要請です……この要請、恐らくもし去年の春頃でしたら当社の技術陣も「それは理想論で とても無理だ」と反論したと思いますが、後半には「よし、やってみよう!」と一斉に、今風にいえば俄然モチ ベーションの高い意志に大転換してくれたのには正直いって驚きました。
 大量に造ればコストが下がり商売は儲かって安泰だという時代は完全に終わり、その証左に人件費の安い東南 アジアや中国へと世界中の生産拠点がシフトしましたが、その中国ですら人件費の高騰で諸産業の激変を余儀な くされ出した……明らかに量的に勝負する製造業は、少なくとも日本では限界点を迎えたといえます。
 では我々産業機械の製造に携わる者は何で勝負すれば良いのか……今までにない新たな技術力でしか生残って 行く道はないでしょう。だが聞くところによれば日本では製造業は20%で、非製造業が80%だそうです。それは「 ものづくり」の愚直さに見切りをつけ、もっと手ッ取り早く皮相的な効果が得られる状況へと人々の関心欲望が 雪崩を打ってしまった証かも知れません。そうした中で格好良さを求め一世を風靡した「軽薄短小」から、それ こそ愚直で基礎的な「重厚長大」へと、世界中の需要構造に変化が見られるのは興味深いところであり、その根 幹を支える世界一流の技術が日本には歴と存在することを我々はもっと喜び、誇るべきでありましょう。
 昨年突如として表面化し、世界を狂わせた投機マネーゲームの破綻には1万兆円(1京円)超の巨大マネーが動い たそうで、比較するに米国の原油先物の規模ですら総計で15〜20兆円といいますから、そんな化け物の如き実体 のない「虚像」がいつまでも続く筈がない……やがて間違いなく、真面目に考え努力して額に汗した者が報われ る「実像」の世界が戻り、「ものづくり」の喜びと価値が再び見直されることでしょう。
 そうした信頼と期待が「木機展・名古屋2009」に集約されるならば、我々一出品者たる「ものづくり」の関係 者にとっては欣快の至りであり、展示会運営の重責を仰せつかった実行委員会としましてもこの上ない悦びであ ります。
 ということで今日参集いただいた中部木工機械記者クラブの皆さん方の特段のご支援ご協力が頂戴できますよ うに、またそれによりまして盛況裡かつ無事に「木機展・名古屋2009」が盛り上がりましたならは、我々木工機 械メーカーは更に明日に向かって日本の木材産業の発展のためにより一層尽力邁進できると信じます。皆でぜひ 力を合わせ頑張ろうではありませんか。
(完)

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